ドラゴンの血を引く騎士は静かに暮らしたい

王立騎士団団長 アマリア

厄介な事この上ない。

シルベスターの王城にある執務室で騎士団長アマリアは思案していた。


ドミレスタ帝国め、私の可愛い、可愛いセリを狙うなんて・・・

この私が叩き潰して差し上げますわ!!!

そんな風に黒い影を背負って微笑んでいるところに副団長であり、夫のイソルガがやって来た。


「アマリア、君真っ黒な気配がダダ漏れだよ? セリ姫の事になると相変わらずだね」

そう言って微笑みながら私を見つめる。


私のシスコンは今に始まったことではない。
イソルガには二人が崖で助けてってなったら間違いなくセリを助けると豪語したにも関わらず、それで構わないから君の夫にしてくれという奇特な奴だった故に結婚する事にした。
私と同等の強さを持つことも決め手になった。
その強さが、今回のような事態になったときセリを守る為に役に立つから。
人一人を守るには力と人が必要であるからだ。

私の可愛い妹、セリは世にも希なる全属性持ちの魔術師である。
その中でも白魔法と呼ばれる治癒魔法の腕はピカイチであり、癒しの姫とその名を大陸各国に知らしめている。
魔法大国の中で随一の力を誇り、本来なら年齢に関わらず実力主義の魔法師団で師団長に就いていておかしくない。

しかし世にも希なるその全属性持ちと無尽蔵の魔力、そしてその身分故に庇護の対象となり国をあげての護りで固めざるを得なかった。

それが当時5歳だったセリの状態である。

それから12年。


シルベスターの王族である、我々兄妹やその連れ合いはセリを守る為の布陣をしっかり準備した上で兄のジェラルド2世が父から譲位されて王位についた。


それがセリが15歳の時で、いまから2年前である。


まさかたった2年でこの状況になるとは。

セリが狙われるのは理解していたが、布陣を敷いていたとはいえ他国の動きが早い。


それ故に本来自国で対処する所を今回はドミレスタに同盟国の絆も見せつけるためあえて、ラグーン帝国の竜騎士団に援軍要請をした。


あそこの竜騎士団は
一騎士で百を倒す猛者の塊である。

少数精鋭であり、騎士自体の数も100に満たないが、このジルギーリ大陸では一番強い騎士団である。


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