君はいつも、心の中に。
カラフルな世界
ガラッ

しばらくしてドアの音が鳴ったから見てみると、ひ弱そうな男の子が不安そうに私を見つめていた。

?「…あ、はじめましてっ!」

ペコッ

と頭を下げる男の子を見て私も頭を下げた。

『……はじめまして、桜庭叶です。』

?「あ、えと、僕は箱根幸です!」


目を泳がせながら入ってきた幸君がベッドに座ると、私に向き直った。

幸「あの…!僕、人とあんまり接した事が無いから、失礼があったらごめんね!」

ちょっとだけ照れくさそうに笑う幸君。



……重い病気なのかな。


『私もだよ。』


幸「えっ、そうなの?よかったーー
……、もし出てけとか言われたらどうしようかって思ってた!」




安堵したようにへらりと笑う幸君が居ることで、私の世界がガラリと変わった気がした。


モノクロから
カラフルな世界へと。
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