小さな奇跡。
凛side


まさか、まさかこんな所で隼人くんに会うなんて予想外すぎてパニックです。



「で?なに話してたんだ?」


「そ。それは内緒?です!」


「内緒?です!
なんだそれ。」





こうやって話してる時が楽しくて忘れてた…。




地獄の始まりを告げる壁はスグそこまで迫ってきてることを…










~♪

「誰?」


「あっ!あたしです!
すみません」


ん?
非通知…。


非通知…。


あたし連絡先知ってるの数しれてるし…非通知なんてかかってくることないのに…。


最近多くなった非通知の電話…。



と、とりあいず…
怪しまれないように…



「も、もしもし。」



「もしもし?
あなた隼人くんに近づきすぎなんじゃない?消えろって言ったわよね?
あれ?分からなかった?なら、わかるように教えてあげなくちゃね?」



「え?」




やばい怖くて…言い返せない…
だんだん体が震えてくる…どうして?


今バレると迷惑かけるんだって…


ねぇ、お願い言うこと聞いてよ!
お願い!




「おい!
どうした?誰からだ?」



「あっ、いや。と…友達…からで…。」



「は?
おい!かせ!」


あー。最悪。



「っクソ切られた。」


「は…隼人くんといるのわかったから…遠慮して切ったみたいです…。」


よし、言いきれ言いきれあたし。



「はぁ?
友達なのに非通知でかけてくんだ。
へー。変な友達だな?
それに、お前の着信履歴非通知ばっかり。
なに?友達毎回非通知なの?ありえねーだろ?」



「ははっ。そー、そーいう変わった子で…。」



「あーそう?
嘘つきも程々にしろよ!
マジ胸糞わりぃ。」

「隼人?」


「金明日返す払っとけ!」


「あのクソガキ!年下のくせに!
で?どうしたの?凛?」



「あっ!
大丈夫です!大丈夫ですから!ね?愛菜さん!」


「あたし何も言ってないけど?」


「へ?
あっ!楽しいです!ね?今この瞬間!」





「あんたも馬鹿ね?
辛いなら辛いっていえばいいのに。」


「嫌なんです…。
あたしじゃない誰かが傷つけられるの…あたしだけで充分だから。だから…誰にも助けを求めない。そう決めたんです。そっとしててください。」



「そっとしておく。
どうしても無理な時はちゃんと言いなさい。
隼人にはごめんって言ってたって言っとくね!」



「はい。すみません。」





これでいいんだ。
あたしだけで、ほかの人まで巻き込んで欲しくない…。




< 65 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop