また内緒の話
『ねえりっちゃん
なんで海に連れてってくれたの?』
私の声だ
海にいるの?
『あーそうそう』
りつの声?
何してんだろ?
りつは木の棒で自分の名前を書き始める
そんなとこに書いたら…
【律】って書かれた文字は波で消されていく
『消えた』
りつは何度も名前を書いては消されていくのを見ていた
何がしたいんだろ?
すると
『ねえ何がしたいの?』
私は今思った事をそっくりそのまま言っていた
それになんだか笑っちゃう
するとりつはこう言った
『海って来那みたいだよね』
『なんで?』
『思い出も全部波で消しちゃう
俺の名前も消しちゃうんだけど
俺は何回も来那の思い出に名前を書き続けるよ
何回消されても何回でも書く
さっきの銀髪は』
【銀髪】
『消えていい人間だ
俺の名前は消えてもまた俺が書くから消えない』
思い出も波で消しちゃう…か
りつの言葉はなんか面白いけど説得力はある気がする
今の言葉を聞いてりつはその通りにやっていた
私が記憶を無くしても私の思い出にりつは居てくれてる
何回消されても、何回でも
そんな動画を見ていたら
「何を臭いこと言ってんだか…」