また内緒の話




まだまだ海さんは続ける




「中学2年になってからかな?
来那が初めて化粧品買ってきただけで
狂った母親が包丁を突きつけたらしいんだ
その場に俺は居なかったけど
頭を強く打ったのと思い切りグーで頭を殴られたらしい」





「……そんなことが」




「うん、そこからだな
来那は気を失って病院に運ばれて
目が覚めた時にはもう記憶が曖昧になってたんだ
そこまでされてまで一緒に居たくはない
だから俺も来那ももう親とは縁を切ったってわけで今ここにいるってわけよ」





「……なるほど」




本当に過酷な事があったから



来那もあまり人と関わるのが好きじゃないのかな?





「まあ今は律君で記憶がいっぱいだって言ってたし??
俺が支えなくても大丈夫かな、
なんてな!」




本当に明るいな海さん




こんな辛い過去があっても笑っていられるなんてすげーよな




「海さんは虐待されなかったんですか?」



「俺は飯食わせてもらえなかったくらいだったな
まあご飯とかはもらえたけど
俺らの好物とかは作ってもらえないのは当たり前だったな
おかげで来那は血繋がってない弟と妹の好物が嫌いな食べ物になってるよ」




「へぇーー
本当に色々あったんですね」



「そうだぞー
俺がいなきゃ来那は死んでたかもだぞ」



「ありがとうございます」




確かにそうだな




色々支えてくれてたから今来那が元気でいられるんだろうな




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