また内緒の話
お母さんは私をビンタして
お父さんはそれを見て見ぬふり
そんな家族の中でお兄ちゃんだけは私に優しく声を掛けてくれた
「来那?なんでこんなところにいるの?」
「……お母さんにぶたれて
うるさいからこの中に入れられた」
「なんだよそれ
俺にはそんなことしないのになんで来那だけ?」
「わかんないよそんなの」
思い出すだけで涙が出てくる
そんな私の頭をくしゃくしゃと撫でるお兄ちゃんはこんなことを言ってくれた
「来那は俺が守るから
俺が大人になるまで我慢してな」
「……うん」
この言葉だけが嬉しかった
それからずっとお母さんの暴力は続く
「ほら!!お前はここに居ちゃダメだろ!」
もう完全に家の中で対立してるようなもんだった
家は広くてみんなでご飯を食べるテーブルも全員座れるはずなのに
一緒のテーブルでご飯を食べようとしたらまた髪の毛を引っ張られて
床でご飯を食べさせられた
そんな中
「じゃあ、来那俺と一緒に食うか」
お兄ちゃんが隣に来てくれた
「泣くなって、ご飯だけでも美味いぞ」
お兄ちゃんはご飯だけでおいしそうに食べてる
もちろん広いテーブルではおかずはいっぱいあったけど
私とお兄ちゃんはご飯だけ
でも、お兄ちゃんと食べるご飯は美味しく感じられた