溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
「好きな女を前にして、欲情しない男なんていないんだよ」


手の力を緩めた彼は、私をまっすぐに見つめる。
本来なら絶対に手の届かない人が、私に欲情しているなんて不思議でたまらないけれど、彼の真剣な視線が私の心を捉える。


「大成さん……」

「澪は俺だけのものだ」


大成さんはそう口にしてから、再び私の唇を貪った。


「澪、かわいすぎ。耳まで真っ赤だ」


彼はそう指摘したあと、私の額に唇を落とす。


「今日はこのまま眠ろうか?」

「えっ?」


思わず声が出てしまった。
だって……てっきりこのまま進むんだとばかり思っていたからだ。


「あれ、欲しい?」


彼が私の顔を覗き込みながら聞くので、恥ずかしさのあまり顔を手で覆ってしまう。


「急がなくていい。ゆっくり澪のペースで俺を受け入れて?」

「でも……」
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