溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
「言っただろ。壊したくないって。澪のことは大切にしたいから、少しくらい我慢できる。……って、できてないか。あはは」


彼は苦笑しているが、私は驚いてしまった。


「大成さん、あの……」

「それ以上は言うな。今、なんか言われると襲っちまいそう」


彼は私の唇を人差し指で押さえ、お茶目な笑顔を見せる。


「大丈夫。そのうち全部もらうから」


そして耳元でそう囁いてから、もう一度私を腕の中に誘った。
すると、彼はすぐに寝息を立て始める。


「疲れてるくせに」


私は彼の寝顔を見ながら、彼の頬にそっと触れてみる。
あぁ、夢じゃないんだ。ちゃんと触れられる。


私は幸せに包まれたまま、その日は眠ってしまった。
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