溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
だからこんなに身を粉にして働いているの?


「中野さん、それなら大丈夫です。大成さんは元のお仕事に戻るつもりだと思います」


これで大成さんのいない分まで働いていた中野さんの負担も減るはずだ。


「そう、ですか……」


トップに立ってほしいという中野さんが望む道を歩き始めるというのに、喜んでいる様子がないのはどうしてだろう?


「西條さん。どうか大成さんのことだけを信じていてくださいませんか?」

「えっ……」


どういう意味?


「大成さんがあなたに見せる笑顔だけが、本物です」

「それはどういう……」


彼に尋ねようとしたとき、チャイムが鳴った。


「大成さんかも」

「すみません。リビングにドアホンが」


私は中野さんに対応するように言われ、寝室を出る。
すぐに上がってきた大成さんは、驚くことにスーツ姿だった。


「中野さんは?」

「今、ベッドに。まだ熱があるの。大成さん、スーツを着てどこに行ってきたんですか?」
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