溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
「ん、親父のとこ」


サラリと返された返答に、一瞬呼吸が止まる。

大成さんの行動力は、一緒に仕事をしていてよくわかっているつもりだけど、会社に戻ると決めてからの行動が素早すぎる。
中野さんと相談してからだとばかり思っていた。


「それで?」


彼の顔を見上げると、「それでって……」と素知らぬ顔だ。

もしかして、突っぱねられた?

最悪の事態が頭をよぎって、顔がゆがむ。
中野さんも奮闘してるのに。


「大丈夫だよ。とりあえず叱られてきた。これからだな」

「ホントですか?」

「あぁ。だからしかめっ面するな」


彼は、私の頬をつまみクスッと笑った。
この笑顔を見ていたい。ずっと彼の隣で。

中野さんのために食事を作り始めると、大成さんは寝室へ入っていった。
キッチンまでふたりの会話が聞こえてくる。


「中野さん、サイボーグかと思ってましたけど、違ったらしいですね」


すごく心配しているくせして、大成さんの最初のひと言は皮肉だった。
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