溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
「あー、気にしてなかったな」

「えー、そうなんですか? もったいない!」


特に最上階のエグゼクティブスイートの大きな窓から見える海は、格別だ。
清掃に行くたびに、胸を躍らせているのに。


「もったいない、か」


彼はクスクス笑いながら、私の腰を抱く。


「そうですよ。あんな美しい景色、誰でも拝めるわけじゃないんです」

「そうだな。俺、すごくもったいない人生送ってきたんだな」


彼がそう言った瞬間、ふわっと風が吹いてきて、髪を揺らす。
この時間はまだ海風だ。


「なんでも最初から用意されてた。だから、努力してなにかを手に入れたときの喜びが、どんなにすごいものなのかも知らなかった」

「努力してきたから、今の大成さんがいるんですよ」


物はあふれていたかもしれない。
でも、彼は努力しなかったわけじゃない。
今の知識や教養は、必死に学んだ結果だ。


「そっか。澪に会えてよかった」

「えっ、私?」
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