溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
アルカンシエルのような大きなホテルでその役職に就くのは、至難の業だということはわかっている。
しかし、それくらいのつもりでやらなきゃ、大成さんや中野さんに追いつけない気がした。


「澪……応援してる」


彼がすごく優しい顔で微笑みかけてくれる。
それだけで気力が沸いてきた。


それから一カ月。大成さんは本部の仕事に復帰してから初めて重なったお休みに、私をデートに誘った。


「澪、どこ行きたい?」

「うーんと……」


彼と一緒なら、どこでもいい。
だけど、大成さんに見てもらいたい場所があった。


「澪、休みの日まで……」


私が彼を誘ったのは、アルカンシエルの近くの公園。
休日まで職場の近くに行こうとする私に呆れている大成さんは、それでも展望台から見える海に目を細めている。


「スイートから海が見えたでしょ? 私、ここの景色がとっても好きなんです」


初めて出会ったあの日。
大成さんが泊まっていたスイートからはこの海が見えたはずだ。
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