溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
私のなにを調べているの?
ハウスキーパーをしているのが、彼に釣り合わないってこと?


「そっか。澪は強かった」


百花はほんの少し微笑みながら言う。


「強くなんてないよ。ただ、彼が好きなだけ」


そのひと言に尽きる。
大成さんが好きだから、彼を信じるだけ。


「はー、なんかそこまで惚気られると、なんにも言えないや」

「あはっ」


そっか、これは惚気なのか。

あんなに泣いたのに、大成さんに会えただけで強くなれる。
彼は私にとって必要な人だ。


「ね、今日ご飯行こ」


百花が誘ってくれたのは、私を心配してのことだったのかもしれない。


「うん。なに食べる?」


やっと笑顔を取り戻すことができた私は、彼女と一緒にアルカンシエルをあとにした。
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