溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
夕方出かけるのに?
不思議に思っていると、チャイムが鳴り、隣の一ノ瀬さんがやってきた。

お客さまって、一ノ瀬さんのこと?


「おぉ、悪いな」

「これでどうだ?」


一ノ瀬さんの手には、深紅のシルクシャンタンのロングドレス。


「うん。なかなかいい。澪、着てみる?」

「えっ、私の?」


驚きすぎて大きな声が出てしまう。


「そりゃそうだよ。一ノ瀬に今日のためにデザインして作ってもらったんだ」


大成さんの言葉に。顎が外れそうになる。
まさかそんな手配をしてくれていたなんて知らなかった。

しかも、あのブランピュールの社長に直々にオーダーを依頼するなんて。
カジュアルな服でも何万もするのに、オーダーのドレスなんて、いくらするのか見当もつかない。


「シンプルな形にしておいたんだけど、気に入らない?」


次に一ノ瀬さんがそう言うので、私はブンブン首を横に振る。


「とんでもないです。でも私が、こんな素敵なドレスを着るなん——」
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