日向 HIMUKA
次の瞬間、
ぼくに焦点を決めたミカの瞳は、
ぼくがはじめて見る表情を浮かべていた。

今まで見たこともないほど、悲しげだったんだ。

「な、何だよ」

不覚にも、わずかに声がうわずる。
 
ミカは、何度か言いよどんで、
思い切ったように言った。

「私、もうじき死ぬの」

 ???

< 14 / 85 >

この作品をシェア

pagetop