日向 HIMUKA
薬を飲んでまもなく、
ミカは、眠りについた。

すぐ横で、日向は無言で水晶を見つめている。

女の子の寝顔なんて
間近で見たことないぼくは、
なんだか落ち着かない。

例のマスクのことを
日向に話すタイミングもつかめず、
だまりこくる日向の横で、
ぼくはただことのなりゆきを、
だまって見ているしかなかった。

「見ろ」

しばらくして日向が、
声をおとして言った。

深刻なまなざしで水晶にを見つめている。

すぐにはその変化はわからなかったけれど、
目をこらして見ているうちに、
いつもの白い輝きが、
強みを増しているように見える。

「白……か」

 日向がつぶやくように言った。

「白がどうしたの」

同じように声を低くして言うぼくに、
日向が言った。

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