あたしはモデル。【完】
もう一度だけでいいから会いたいの。
あの優しい笑顔を、もう一度見たいの。
会って、謝りたい。
話がしたいの。
許せないんだ。
今も捕まらずにのうのうと生きているであろうあのストーカーが。
お兄ちゃんの夢を奪った、私が。
許せないんだ。
―――――――
「くら…さくら…?」
「……?
あれ、私…
ここ、どこ……」
見慣れない部屋
目の前には拓夢
「大丈夫か?
目、覚めた…?」
そうか。これは現実か。
そう理解した瞬間
涙がボロボロと頬を伝った。