あたしはモデル。【完】


もう一度だけでいいから会いたいの。


あの優しい笑顔を、もう一度見たいの。



会って、謝りたい。
話がしたいの。








許せないんだ。

今も捕まらずにのうのうと生きているであろうあのストーカーが。


お兄ちゃんの夢を奪った、私が。


許せないんだ。






―――――――





「くら…さくら…?」




「……?

あれ、私…

ここ、どこ……」



見慣れない部屋


目の前には拓夢





「大丈夫か?

目、覚めた…?」






そうか。これは現実か。




そう理解した瞬間

涙がボロボロと頬を伝った。




< 147 / 206 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop