あたしはモデル。【完】
「あれ…?
やだ…なんでだろ…
…っ、」
ここは、現実。
お兄ちゃんは、いない。
受け止めたはずの現実。
なのに涙が止まらない。
なんで、あの時私が死ななかったんだろう。
何度そう思ったか。
そんな事言ったら、ヒロトも叔父さんも…お兄ちゃんも、すごく怒ると思う。
でも、そう思わずにはいられなかった。
ふわっ
「っ…!」
ぎゅっ、と優しく抱き締められる。
「泣け。
俺が、全部受け止めてやるから。
だから思う存分、泣いて。」
拓夢に抱き締められた。
「っ、」
やめてよ。
優しく、しないでよ。
私は拓夢の胸にすがりついて再び涙を流した。