約束の大空 3 ※ 約束の大空1&2の続編。第四幕~(本編全話 完結)



何で、皆、バカなのよ。
この戦いに意味なんてないのに。

あんなに必死に戦って、負傷して、命をかけて……。
だけど……意味なんてないの。



この戦いの未来は決まってる。
変えることのない未来、変わることのない未来。





ごめんなさい。
貴方たちを、再び戦いに巻き込んで……。




そんな罪悪感をも抱きながら、
ただ無心に素振りを続ける。

唇を噛みしめながら。





「舞……、舞っ……」


何時の間に隣に姿を見せた、斎藤さんが私の義務的な素振りの動作を遮るように割って入ると、
動きが止まった私の傍へと近づいて、口元へと指を添えた。



斎藤さんが拭ってくれた指先には、血がついていた。



「あっ……すいません。
 私……」



慌てて手ぬぐいをポケットから取り出して、
斎藤さんの指を拭った。



「舞は、この先の未来を見ているんだな。
 だけどそんなに、唇を噛みきるまで自分を追い詰めるな。

 俺達は、この先、ずっとずっと追われ続けるんだな。
 だが、それも時代の流れなんだろう。

 自分を責めるな。

 こうやって、再び、この時代を訪れるほどに、
 お前が思ってくれている。

 俺は……それだけで充分だよ」


「斎藤さん……」




斎藤さんが告げた言葉に、私は思わず、彼の瞳を凝視する。

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