【正太の一句】
【1話 弾き語り】
俺の名前は植松正太。
歳は19歳。高校を卒業して、今は街中でアルバイトをしている。別にその辺にいる普通の19歳と同じ。
ただ、普通じゃないと言えば、一年前に母親が交通事故で死んで、今は父親と二人暮らしをしてる程度かな。
世の中は色んなニュースや出来事で、どんどん変わってってるけど、僕はなんてことない。
昼の12時に起きて、メシ食べて、昼の3時から夜の12時まで、アルバイト。その生活の繰り返し。
でも、そんな普通の生活の中にも一つだけ、おもしろいというか、趣味がある。
今日はちょうど、その日。
僕は12時にアルバイトを終えると、いつも通り、ある場所へ向かった。
そう、札幌でいうなら、狸小路みたいなとこかな。
「お〜い!正太!おせぇよぉ〜!!」
「ごめん、ごめん、ちょっとバイト先でミスっちゃってさ。」
「なんだよ〜それ!まっいいや!早く用意しれ!!今日もハーモニカ頼むな!」
「う、うん笑...」
そう、僕らは週に2回程度、弾き語りをしている。
今出てきたのは、僕の親友の真矢。将来ミュージシャンを目指す弾き語り。
歳は僕と同じで、実は僕らが仲良くなったのは、ちょうど僕の母親が死んで、落ち込んでいる時に
たまたま、夜に街中を歩いていると、真矢が一人で弾き語りをしていて、その時に聞いた歌がすごい心に残ってね。
それで何度か足を運ぶに連れて仲良くなって、真矢がギターを弾きながら歌う中、僕は昔から得意だったハーモニカで、真矢の曲に合わせて吹くようになって、今現在は二人で弾き語りをしているわけ。