もしも、運命の赤い糸がみえたなら

次の日は朝から幸華ちゃんがそわそわしていた。



「今日は絶対、勝てるよ」


「勝って帰ってくるから安心しなって」


あたしと朱里ちゃんは、休み時間のたびに声をかけるけど、幸華ちゃんのそわそわは全然落ち着かない。


「今日の試合って何時からか知ってる?」


あたしがこそっと朱里ちゃんに聞くと、朱里ちゃんはスマホを操作して


「予定では13時だけど、この調子だと14時半くらいになるんじゃないかな?前の試合、どっちも延長戦だ」


「そうなんだ。幸華ちゃんは知ってるの?」


「知ってるんじゃない?だってずっと速報サイトを開いてるもん、あの子」


呆れたように朱里ちゃんは幸華ちゃんに視線を投げた。


5時間目になっても、6時間目になっても幸華ちゃんはそわそわしてたけど、6時間目が終わるや否や、あたしのところに飛び込んできた。


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