もしも、運命の赤い糸がみえたなら
memory11

クラスマッチとホームラン



「バレー苦手でも、うちに任して」


そう言って、コートの中を人一倍駆け回る幸華ちゃん。




「幸華ちゃん、人気者だね」


「そうだね。元バレー部だしね」



今は、クラスで明日のクラスマッチのために練習する時間。


あたしと朱里ちゃんは体育館の隅に座って幸華ちゃんを眺めていた。



「おっつー♪」


ピタっ


頬の冷たい感触に小さく悲鳴を上げる。


「委員長!」


朱里ちゃんが顔を上げる。


最近の森くんは、クラスでは「委員長」と呼ばれている。



「何、サボってんの?」


笑いながら、あたしの頬に一瞬あてたスポーツドリンクのペットボトルのキャップを開けた。


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