棘を包む優しい君に
プロローグ
 これは夢。
 綿毛のようなふわふわとした優しさが唇に舞い降りる。

 これは夢。都合のいい夢。
 望んだ姿になった俺は優しいぬくもりに手を伸ばす。

 微笑んでいる柔らかな愛おしさを腕の中に抱き寄せてもう一度だけ夢の中へ。
 目が覚めて悲しい寂しさに溺れないように。


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