私はそんなに可哀想ですか?
「元気になって遊ぶ明子ちゃんを見ていて、そそっかしい子だと最初は思ったわ、あちらこちらで体をぶつけてはアザを作っていたから。でも、明子ちゃんが異常だと思うのに時間はかからなかった。ある日の食事の時に目の前に差し出したコップにあの子は気付かなかったの、明らかに視界に入っているはずなのに」

先生の声が震え、目が潤んでいくのがわかった。

「その日のうちに病院に連れて行ったわ、あの子は凄く嫌がった、多分自覚があったんだと思う、自分が普通じゃないって」

堰を切ったように先生の目から涙が溢れたが気にも留めない様に話し続ける。

「行った病院では検査出来なくて、大きな総合病院を紹介されたわ。そして明子ちゃんは『網膜色素変性症』だと言われたの』

「『網膜色素変性症』?」

俺は耳慣れない病名を繰り返した。




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