私はそんなに可哀想ですか?
キャッチボール
すぐに土曜日はやってきた。一応比較的動きやすい服装を選び向日葵園に向かう。

出迎えてくれたのは明子ちゃんだった。

「こんにちは、御手洗さん」

その声が聞こえたのか、コウキ君が奥から待ってましたと言わんばかりにバタバタと走って出て来る。

園の庭はお世辞にも広くはないが、キャッチボールをする程度の広さはある。結論から言えば思っていた以上に体は鈍っていた。俺は何度もボールを取りこぼし、その度にコウキ君に下手っぴだなぁと言われ苦笑いを返した。

明子ちゃんは俺に気を遣って、コウキ君にそんな事言っちゃだめよ、と言いながらクスクスと笑っていた。




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