芸人
毎日ストリップ小屋で4回ステージやって終わり、次の日も何も
変わらない日が続くのである。
売れる気配などまったく無い。
山さんが、言っている意味が、何かわかってきた気がした。

「山さん、僕、決めました。僕、山さんに付いていきます。」

そう伝えるつもりだった。

「おはようございます」

楽屋にいたのは、坂下健、上山かずおだった。

「あれ?山さんは?」

「事務所に行っている。なんか支配人と話があるとかだって。」

僕はすぐにわかった。
山さんは、本気でストリップ劇場を辞めるつもりだ。
ひょっとしたら、今日で最後の舞台になるかもしれない。

「その気持ちで舞台に挑もう。」

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