芸人

通りがかりの電気屋のテレビから漫才師の声が聞こえてきた。
今、若者で一番売れている芸人カウントダウンだった。
通がかりの老夫婦が立ち止まりＴＶを見て言った。

「なんで、こんな面白くない漫才が、今、売れているんだろうね？
柳川たけし・まさしの方が面白いのにね」

柳川たけし・まさしとは、３０年前に売れていた大御所芸人である。今、この人達を見るなら浅草の寄席に行かないとなかなか見れない。
６０，７０歳ぐらいの年齢の方の時代に一世風靡した芸人である。
今は、たまに、お正月の番組に出るぐらいである。

「一番になる夢を見ていたけど？　どこまで行けば一番なのか？」

疑問に思った。
でも日常的に生活は全然変わらなかった。