芸人
「いや~ここは俺の店だから、あの社長は、俺の会社から銭も借りているから
気にしなくて
いいよ。まあ前からあの社長も素行悪くて、
いつか言わないと思っていた、矢先の事だった。
俺も学生時代から、ワルやっていたから、いつの間にか、こう言う商売に
やっているけど。それより、もし良かったら一緒に飲みなおさないか?」

「酒飲めないけどいいかな?」

「かまわないよ」

森は、新宿のポーカーゲーム屋で成功し、その金で会社を興した。
現在、六本木では、森は有名であり、不動産、金融関係を手広くやって
いる。
一方は売れない芸人、一方は億を動かす会長。
あの時、一緒にやっていたら俺も億万長者かもしれなかった。
でも、こんなに違っても昔話には、花が咲いた。
帰りがけに

「また連絡して来いよ、困ったら連絡しろよ!」

「今日はありがとう。またな~」

森は振り向きざまに

「がんばれよ。応援するから、絶対売れろよ!」と手を振った。

俺は、うなずいた。六本木は、朝でも、なんか人が多かった。

「帰って寝よう!」



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