【完】『空を翔べないカナリアは』
その話を美姫にすると、
「恋だね」
と一言だけ、美姫は美優に言った。
「でもさぁ」
と美姫は、
「珍しいよね」
「?」
「それって要は一目惚れみたいなもんだよね」
美姫の指摘の通りであろう。
「そうかな?」
「あんまり恋をしない美優が一目惚れする人って、どんなイケメンなんだろ」
見てみたい、と美姫が言うと、
「美姫には崚さんがいるじゃん」
とこれまた珍しく美優が反駁した。