天神学園の奇妙な案件
まるで龍一郎の逆立ち蹴りによって、ティーダの体が串刺しにされたように見えた。

観客席で見ていた蒲公英が、顔を背ける。

「ぐ…うっ」

床に倒れ、呻くティーダ。

前の試合で、すずに散々大技を食らわされた身とは思えない。

龍一郎の体のキレはよかった。

「くっそ…」

ユースティティアを支えに立ち上がるティーダ。

立ち上がったならば容赦はしない。

龍一郎は頭突き、肩、膝を同時に放つ突撃技、鷹抓把(ようそうは)を仕掛ける!

3つの打撃が一度に襲いかかるのを、剣の腹で受け止めつつ。

「でやあっ!」

ティーダはユースティティアを横薙ぎ!

その斬撃を、大きな動きで回避した龍一郎。

それを追うように間合いを詰めたティーダは。

「がはっ!」

逃げると見せかけて転身し、打ち込んできた龍一郎の肘を食らって足を止められる。

八卦掌の妙技、脱身化影(だっしんかえい)だ。

そして足を止められたという事は。

「恰好の的だな、ティーダ!」

爆発の衝撃と見間違う程の凄まじい威力を誇る拳の猛打を浴びせられる! 

翻子八閃打(ほんしはっせんだ)!

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