優しい魔女は嘘をつく
なんだったんだろう。
突然、おはよう、なんて言ってきたから、ムカついたのかな?
そんなことは……………………ある、かもしれないけど。
結局、堂本くんがどうしてこちらを見ていたのか分からないまま。
SHR(ショートホームルーム)を知らせるチャイムが鳴り、担任の矢田(やだ)先生が、後ろのドアから教室に入って来た。
「ちゃんと席つけー」と後ろで喋っていた男子生徒の頭を丸めたプリントの束で叩いた矢田先生。
二十代後半だという彼は、癖のある髪が特徴的で、顔も整っており、なかなかのイケメンである。
このクラスの担任だけど、学年では主に体育の授業を担当している。
あまり変化のないそのジャージ姿を続けて見るのは、もう慣れた。ちなみに今日は青のジャージだ。
先生が何かを話し出したので、私は机に突っ伏して、そのまま目を閉じた。