優しい魔女は嘘をつく
「初美……」
不安そうな声に顔を上げると、心配そうに私を見ている咲良の顔が目に映った。
同時に、十二時を過ぎた時計も見えて、私はハッとした。
「わ、もうこんな時間!?咲良、お弁当食べれなくなっちゃうじゃん!早く行こ!」
私がそう言うと、咲良は優しく笑って頷いた。
ふと気になった右を見る。堂本くんはいなかった。
いつもこの時間になるといなくなる堂本くん。
どこに行くのかは、ついていったことがないので分からないけど。
別の場所で食べてるんだろうな、なんて考えながら、私は立ち上がった。
咲良のあとに続いて教室を出ると、私達は体育館裏に向かった。