優しい魔女は嘘をつく
「急にどうしたの?」
「ううん、別に。なんでもないよ」
咲良が何故か悲しそうな表情をしているように見えたので、私は思い切って言った。
「咲良、言いたいことはちゃんと言わなきゃだめだよ?私でいいなら、いつでも相談乗るんだから」
「……うん、そうだね」
果夏と何かあったとして、もしそれが喧嘩だったなら、きっとどちらかが謝れば許してくれるはず。
でも、どっちか謝れ!なんて私には言えないからなぁ……自然に戻るのを待つしかないか。
薄汚れた廊下を踏む度に、上履きがペタペタと音を鳴らす。
窓の外を見ると、グラウンドに向かっている一年生の姿が見えた。
咲良はというと、隣で抜けるような青空を見つめて、その眩しさに目を細めていた。