優しい魔女は嘘をつく
2、魔女にかけられたもの
神さまならまだしも、″魔女″だなんて。
「透明になる、魔法……」
口に出してみるけれど、あまり変な感じはしなかった。むしろしっくりくる。
朝、私に話しかけてくる人がいなかったのも、私の存在を皆が知らなかったからなのだろうか。
そう思うと矛盾することがある。
堂本くんと、咲良のことだ。
もし本当に私が、魔法をかけられたのなら、彼らはどうして私が見えるのだろう。
というか、本当に″魔法″なんてあるのか?
いや、でも、まず疑うのは、「魔女」の方だ。
どうして「魔女」なんだろう。