きみは風のようだった
カフェにつくと佳笑はいつもの特等席にいた。
「遅れてごめん。」
「いいよ。私が誘ったんだし」
そのあと飲み物を頼んでからなにも話さない佳笑。
私から問いかけるべきなのだろうか?
私がそんなことを思っていると。
「話、なんだけどさ…」
「うん。なに?」
心の中とは違い、落ち着いて冷静でいられる自分に驚いた。
「そらさ…うちらに…」
それから黙ってしまう佳笑。
「佳笑たちに?」
「か、くしごとしてない?」
隠し事。ごめんね。ほとんどのことを隠している。
親のことも、病気のことも、なにも佳笑たちには話していない。
「…ないよ。」