【完】Kiss me 社長の秘密と彼女のキス
「あっ、館長。今さっきの件水崎とも確認して」
その言葉に、始もやってきて確認をしていると、ふと始の視線を感じた。

「館長?」
「いえ……」
麻耶は、最近訪れるこの始の間が恐ろしかった。

(すごく大切そうだよな……社長の事。もしかして……俺に惚れるなって……社長とそういう関係とか……ありえないか)

麻耶は自分がとんでもない事を考えていることに気づいて、慌てて頭を振った。

「水崎さん、何を考えています?」
奥野はいつのまにか、違うスタッフの所に行っており、始の声に慌てて麻耶は視線を戻した。

「え?いや。あの……」
「なにか全く見当違いの事を考えていそうですね。まあいいです。一度確認しにいきますよ。当日のルートを」
ため息をついて歩き出した始の後を、麻耶も追いかけた。

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