【完】Kiss me 社長の秘密と彼女のキス
(うーん、寒い……重い……。狭い…あれ?え?また……)

ゆっくりと息を吐いて気持ちを落ち着かせると、腰に回った腕をそっと外し身を起こした。

(あのまま寝ちゃったんだ……社長もか……この二日で随分慣れちゃったな……この人に)

暖房がタイマーで消えてしまっていたようで、室内はかなり冷え込んでいて麻耶はブルりと震えた。
麻耶は体を丸めぐっすりと眠りに落ちている綺麗な顔をじっと見て、ふと笑みが漏れた自分に気づいた。

(うん!いろいろ悩んでも仕方がない!今は仕事も忙しいし住むところもない!)

自分にだけ掛けられていたブランケットを、慌てて芳也にかけると麻耶はソファーからそっと出た。
その毛布をぎゅっと抱きしめるように丸まった芳也は、いつもの威厳のある社長とも、麻耶を脅すように命令した芳也のどれでもないように見えた。

(本当の社長はどれ?)

昨日の夜の優しい言葉、少し影のある横顔が頭をよぎった。
麻耶は見下ろすようにしばらく芳也を見た後、室内に目を向けた。
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