【完】Kiss me 社長の秘密と彼女のキス



「それでは、次の土曜日と日曜日はブライダルフェアの役割をきちんと見ておくように。では今日も一日頼むよ」
主任のその言葉で朝礼は終わり、麻耶も席に戻った。


「麻耶ちゃん、お嫁ちゃん役回ってきたのね」
クスクス笑いながら手元の紙を見ながら美樹が言うと、麻耶はため息をついた。
「ハイ、回ってきちゃいました」
「何だよ、水崎嫌なのか?」
2つ上の新規営業の、河野雅也の声に麻耶は顔を上げた。

「いやですよ。なんか見世物みたいでドキドキします」
ふてくされたように言った麻耶に、
「俺は新郎役の時どれだけ目立ってやろうって考えてるけどな」
胸元のネクタイを手で触りながら河野の言葉に美樹も笑った。
「そうよ。麻耶ちゃんは身長も高いし可愛いんだから堂々とやればいいじゃない」
「美樹さんみたいに綺麗なら私だって……なので、今日16時にドレスサロンにフィッティング行ってきますね」
「了解よ」
美紀はニコリと笑って麻耶に返事をすると、自分の席に戻って行った。

< 57 / 280 >

この作品をシェア

pagetop