甘いチョコとビターな彼


「...お前、なんでわかった」


「えっ、え?」


気づけば私は、近くにあった空き教室に入れられて彼に迫られていた。


「答えろ」


「っ、」


ち、近い…っ!


「わ、わかったって、何がっ?」


「とぼけんな。俺の家がチョコレート専門店だってことを、どーやって知ったのかって聞いてんだよ」


「え…えっ?君の家ってもしかして、
ショコラ・エテルニテなの?」


「……はっ?」


「私はただ君からあのお店の香りがしたから、
食べてたりするのかなって思っただけで…」


「……まじかよ。くそっ、自分からバラすとか最悪だ」


彼は髪をくしゃりとかきあげると、私から距離をとって苦い顔を見せる。


そして私はというと、


「すっ、すっごーい!」


「…は?」


彼とは対照的にキラキラと顔を輝かせていた。

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