政略結婚はせつない恋の予感⁉︎

するとそのとき、太陽と裕太の間の席の椅子が、後ろへガタッと引かれる。
その席は披露宴が始まっても空いたままだった。

「おまえ、また飛行機が遅れたのか?」

椅子に倒れこむようにどかっと座った相手に、太陽が訊く。

「わたしの結婚式でもぎりぎりだったよね?」

蓉子がほとほと呆れた顔をする。

「この人数だ。少々遅れてもわからないさ」

慶人が端正な顔でくすっと笑う。

「大変っすねー!先月アメリカから帰ってきてすぐ戻って、今月またでしょ?」

裕太が超軽い口調で(ねぎら)う。

「……おまえら、ごちゃごちゃうるさい。
先刻(さっき)、成田に着いたばっかで時差ボケなんだ」

いかにも不機嫌な様子で顔をしかめていたのは、
……黒のタキシード姿の海洋だった。

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