政略結婚はせつない恋の予感⁉︎

「引き出物はね、カタログギフトにするつもりだったから、気にしなくていいのよ」

お造りの三種盛りを板さんから受け取りながらお義母(かあ)さまは言った。
三種盛りは和歌山のクエ、大分の佐賀関の関アジ、青森の大間の中トロだ。

「といっても、うちの会社自慢の選りすぐりの北欧家具から選んでもらうのよ。もちろん、カタログは今回限りの特注よ。もう二度と作らないわ」

……そ、それは、わたしもほしい。

北欧家具は不思議と、畳の間でもしっくり合うものがあるから、招待客に喜ばれたに違いない。

「……ご迷惑をおかけして、申し訳ありません」

わたしは深々と頭を下げた。

「あら、イヤだ。頭を上げてよ」

お義母さまは、わたしの肩をぽんっとする。

「でも……もうダメ、っていうことなのね?」

察しの良い彼女がつぶやいた。

「本当にすみませんでした」

また頭を下げようとするわたしに、

「いいのよ。とっても残念なことだけど、よくある話じゃない?」

今度は(ふき)(とう)の天ぷらがきた。

「でも、わたし……彩乃さんとは縁を切る気はないからね」

……まさか、息子と破談になったオンナを恨み続ける、とか?

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