政略結婚はせつない恋の予感⁉︎

今まで、派手で自信家で、わたしとつき合えば自慢になると思ってるような男の人ばかり、わたしに近づいてきた。

または、わたしも自分と同じようなタイプで「割り切ったつき合い」ができると思い込んだ人とか。

そういう人たちを……いや、そういう人たちだからこそ……自分から誘って枕を並べた時期がある。人知れず、海洋と別れたすぐあとだ。

なにも知らない華絵からはずいぶん心配されたし、説教もされたけれど……自暴自棄になったわけじゃない。確かめたかったのだ。

わたしも、海洋以外なら、できるかどうかを。
「慣れている」人なら、わたしを悦ばせてくれるかもしれないということを。


……だけど、やっぱり、わたしはその(ひと)たちも「秒殺」してしまった。

だから、彼らとは一回きりの関係だ。
気の毒に、自信があればある人ほど、ダメージが大きいらしく、本当に悪いことをしてしまった。

偶然、再会してしまったときなんか、(おび)えた仔犬の目をして、わたしをおどおど見ていた。

……大丈夫よ、だれにもチクらないから。
ウワサになんて絶対にならないから、安心して。
どんな男の人でも、世の中で一番イヤなことに違いないもんなぁ。


だから、将吾さんにも……「最後」までさせないように、心を砕いてがんばってきたのに。

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