政略結婚はせつない恋の予感⁉︎

「……腹へったな」

そういえば、お昼がまだだった。
っていうか……

「ねぇ……ここ、どこ?」

将吾がやっと気になったか、というふうに、にやりと笑った。

「おれたちの新居」

……新居!?

「実家で同居するんじゃないの?
……あっ、もしかして、わたしがご両親との同居がイヤで家を出た、ってことになってる!?」

わたしが目を丸くして詰め寄ると、

「まさか。正確に言うと、おれたちの『セカンドハウス』だな」

将吾がそう言って、わたしの顳顬(こめかみ)に、ちゅっ、とキスをした。

「もともと、おれが買って持っていたものだが、週末はおまえとここで過ごそうと思ってさ」

なんで?とわたしが犬の目で尋ねると、

「週末の朝くらい、おまえとベッドの中でずーっと楽しみたいのに、朝八時から無理矢理メシを食わされてたまるか」

将吾はわたしのくちびるを、ちゅっ、ちゅっ、とまたついばみ始めた。

「お腹すいたんじゃなかったの?……なに食べる?」

なんだか、このままでいると、昼食抜きで夕食までお預けになりそうなので、気を逸らせるためにも訊いてみた。

「豚の生姜焼き。濃いめの味のやつ。
おまえの弁当の定番っていうやつを、食いたい」

間髪入れず、返ってくる。

「夫になるおれに、おまえはまだ一度も、手料理を食べさせてねえだろ?
弁当だって、結局、一度もつくってくれねえし」

完全に、拗ねた口調だった。

「……バレンタインのチョコもなかったしな」

わかばちゃんとの「デート」を目撃して以来、わたしにとっては「しなくてもよいこと」になっていた。

……もしかして、この人、
かなり、めんどくさい人かもしれない。

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