政略結婚はせつない恋の予感⁉︎

「……遅いっ!」

将吾さんは怒っていた。
甘い雰囲気はこっぱみじんこに砕け散っている。

「……はぁ? 」

今のキスはなんだったんだろう?まぼろし?

……ワケわかんないっ。
なんで、わたしが怒られなきゃなんないわけ?

「彩乃が早く来ないから、また大橋に襲われそうになったじゃねえかっ」

将吾さんは心底、嫌そうな顔をしていた。

「……あれっ、大橋さんは将吾さんの愛人じゃないの?」

わたしが不思議に思って訊くと、

「ふざけんなっ。そんなふうに思ってたのか!?
だれがあんな女、相手にするか!
取引先との関係で無下にできねえんだよっ!!」

将吾さんは鬼の形相で怒鳴った。

……確かに、大橋さんは大橋コーポレーションの社長令嬢だもんね。

だけど、あまりの言いように、ほんのちょっぴり大橋さんに同情しそうだ。

「それに、まだ結婚もしてないのに、なんで『愛人』なんだよっ」

……そこは、まぁ、雰囲気で。

< 84 / 507 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop