政略結婚はせつない恋の予感⁉︎
「……遅いっ!」
将吾さんは怒っていた。
甘い雰囲気はこっぱみじんこに砕け散っている。
「……はぁ? 」
今のキスはなんだったんだろう?まぼろし?
……ワケわかんないっ。
なんで、わたしが怒られなきゃなんないわけ?
「彩乃が早く来ないから、また大橋に襲われそうになったじゃねえかっ」
将吾さんは心底、嫌そうな顔をしていた。
「……あれっ、大橋さんは将吾さんの愛人じゃないの?」
わたしが不思議に思って訊くと、
「ふざけんなっ。そんなふうに思ってたのか!?
だれがあんな女、相手にするか!
取引先との関係で無下にできねえんだよっ!!」
将吾さんは鬼の形相で怒鳴った。
……確かに、大橋さんは大橋コーポレーションの社長令嬢だもんね。
だけど、あまりの言いように、ほんのちょっぴり大橋さんに同情しそうだ。
「それに、まだ結婚もしてないのに、なんで『愛人』なんだよっ」
……そこは、まぁ、雰囲気で。