夢現物語
若草の筝の琴が切れたのは、自然に切れた訳では無く、若草の弾き方がいけなかった。
お陰で、若草の顔には、弦が擦れて傷がついてしまった。
藤一条の姫君の御名にも、ほんの少しだけではあるが、傷がついてしまった。
「姫様。」
ぼそりと和泉に耳打ちされ、促された様に御簾の外にお出になった。
女房達が、慌ただしく働いている。
それを、姫君はぼんやりと眺めてらした。
(そうだったわ…………今日は、宴だったのよね………)
姫君が御自身の曹司に戻られた。もう、お疲れだったのだ。
お陰で、若草の顔には、弦が擦れて傷がついてしまった。
藤一条の姫君の御名にも、ほんの少しだけではあるが、傷がついてしまった。
「姫様。」
ぼそりと和泉に耳打ちされ、促された様に御簾の外にお出になった。
女房達が、慌ただしく働いている。
それを、姫君はぼんやりと眺めてらした。
(そうだったわ…………今日は、宴だったのよね………)
姫君が御自身の曹司に戻られた。もう、お疲れだったのだ。