私と彼と兄と
「あの…。予約してあった三倉なのですが」


「…っ!?」





よ、予約!?

あぁ、だからあんなに焦ってたのか。





「三倉様ですね。ご案内します」



ニコッと微笑んだ綺麗な店員さんの後をついて行き、私たちは奥の外が一望できる大きなガラス窓のある席に座った。





うわぁ、コレ絶対子供が来ちゃダメな所じゃんーーー





慣れない空間に胸がドキドキする。


そんな私に気が付いたのか、外を見ていた兄が顔をこちらに向け、



「…なに?緊張してんの?」


「…っ!」



悪戯な笑みを浮かべてきた。



「…バカにしやがって」



私がぶつぶつと文句を言っていると、



「じゃあ何も頼まんくていーのな?」



こんな事を言ってきたのだ。



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