私と彼と兄と



夜空に弾ける花火の音と。光と。そしてーーー



真剣な眼差しを向ける相川くんとーーー



「…俺じゃ……嫌?」



詰まりながらも私に声を掛ける相川くん。


彼はーーー


相川くんは本気なんだーーー



でも、私はおかしかった。

だって、ついこの間までは、相川くんの事が大好きで、別れてからもずっと彼の事ばかり考えて…


だから、返事だって即答できるはずだった。
ずっとそう思っていた。



なのにーーー



「華…?」



あぁ、どうしてこんな時にばかり…





颯馬の事が目に入るのーーー?





どこか寂しそうに目を伏せて、暗い表情をしている兄が…。


大好きな人に告白されて嬉しいはずなのに…




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