私と彼と兄と
一気に顔が紅潮してしまう。
ーーーと、そんな時に限って兄と目が合っちゃうものだから、困る。
「…いつまで彼氏面してんだよ」
怒りに震える兄の声。
対する相川くんは、ふぅ、と呆れたようにため息をつき、
「…なぁ、華」
クルッと首だけをこちらに回し、私に声をかけてきた。
「……こんな状況で言うのはかっこ悪いと思ってる。…でも、やっぱり今言いたいんだ」
「…ん、ん?」
黙る相川くん。
花火の音だけが静かに響く。
いつの間にか兄の手は相川くんから離されていて、ジリジリと一歩一歩距離を詰めるようにして相川くんが寄ってきた。
「……華、俺ともう一度、付き合ってほしい」
「……っ!!!???」