さまよう爪
じゃあここでサヨウナラ。という時になってお互い、何となしに改札前で立ち止まった。
直人と目が合って、意味もなく笑ってしまう。
しかし。
フッ。鼻で笑われ、
「ひでぇ顔」
そんな捨て台詞と共に自動改札機へパスケースを通し、直人はさっさと行ってしまった。
「なっ」
なんだって! 反論する前に直人は背を向けたままひらひら手を振った。
手が、大きい。ごつごつと骨っぽい。
その態度に腹が立っていたわたしのほうへどんどん歩いていた直人が振り向いてくる。
少しびっくりした。
「じゃあ」
また仕事で。
そう言った直人の顔は、「ひでぇ顔」だったけれど何かを決心したようにも見えた。
ホームへ向かう直人の背中が小さくなり、あっという間に消えていく。
今度はもう、こちらを振り返ることもなかった。
直人と目が合って、意味もなく笑ってしまう。
しかし。
フッ。鼻で笑われ、
「ひでぇ顔」
そんな捨て台詞と共に自動改札機へパスケースを通し、直人はさっさと行ってしまった。
「なっ」
なんだって! 反論する前に直人は背を向けたままひらひら手を振った。
手が、大きい。ごつごつと骨っぽい。
その態度に腹が立っていたわたしのほうへどんどん歩いていた直人が振り向いてくる。
少しびっくりした。
「じゃあ」
また仕事で。
そう言った直人の顔は、「ひでぇ顔」だったけれど何かを決心したようにも見えた。
ホームへ向かう直人の背中が小さくなり、あっという間に消えていく。
今度はもう、こちらを振り返ることもなかった。