意地悪上司は私に夢中!?
「そこです、そこ」

洗面所を指さしたけど、もうヤツの姿はないらしい。

「…お前とりあえずリビングに入ってタオルで頭覆って来い。
水垂れてるぞ」

「Gがリビングに移動してたらどうするんですか!」

「じゃあ俺も行ってやるから!」

投げやり気味に怒鳴る永瀬さんは、めんどくさそうにリビングのドアをバンっと開けた。

さっきから明らかに永瀬さんを怒らせているけど、私にとってはそれどころじゃないのだ。

震えが止まらない。

…けどなんだ?これは。

もしかして寒かっただけなのか?

さすがにキャミソール一枚で外にいるのはまずかったか?

上から長袖のロンTをかぶって、永瀬さんの後ろに隠れる。

「…早く退治してください」

「いなかっただろ」

「でもどこかにいるはずです」

「俺は業者じゃねーんだよっ」

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